25. SVRによるクリープ破断時間予測ワークフロー

25.1. 概要

フェライト系耐熱鋼のデータを用いサポートベクトル回帰により訓練された予測モデルによって、組成・試験条件からクリープ破断時間を予測する。

25.2. ワークフロー説明

ワークフローは 図 243 になる。

../_images/W110000000812.svg

図 243 SVRによるクリープ破断時間予測ワークフロー

25.3. ツール説明

ワークフローで使用されるツールの説明を行う。

25.3.1. 合金組成情報

いくつかの組成の値が設定された特定のフォーマットのファイルから組成値単体に分解し、単位を変換して出力する。

合金組成情報予測モジュールの処理詳細については 「 合金組成情報 」 を参照のこと。

当ワークフロー実行時の入力ファイル設定内容は以下の通りとする。

入力ファイル:
ポート名:組成データタイプ
入力ファイル「組成データ」の形式としてfe_compositionを設定する。
fe_compositionを設定した場合はバランス量が鉄(Fe)となる。

fe_composition以外の組成データタイプは組成データファイルに"Nb_Ta"を設定できない。
../_images/file_type.png

図 244 入力ファイル「組成データタイプ」

入力ファイル:
ポート名:組成データ
いくつかの組成の値を1ファイルで設定する。1列目は元素名、2列目は組成値とする。
組成値の単位はmass%とする。

SVRによるクリープ破断時間予測モジュールで入力可能なFe以外の元素(C,Si,P,S,N,B,Mn,Ni,Cr,Mo,Cu,Al,Ti,Nb_Ta,V,W,Co,Nb)を設定する。左記以外の元素は設定しないこと。
Feはバランス元素のため組成データファイルには設定しない。100-(他の組成変数の合計値)の計算結果が出力ポートのFe_質量百分率に出力される。
../_images/fe_composition_file.png

図 245 入力ファイル「組成データ」の例

入力ファイル:
ポート名:組成データ単位情報
mass_percent(質量百分率)を設定する。
../_images/unit_type.png

図 246 入力ファイル「組成データ単位情報」

25.3.2. SVRによるクリープ破断時間予測

データベースで訓練した回帰モデルを用いてクリープ破断時間を予測する。
予測モデルの訓練には炭素鋼、低合金鋼、高合金鋼にわたるフェライト系耐熱鋼の市販鋼に関するクリープ破断データ5132点を用いた。
ホールドアウト検証で評価した予測精度は対数破断時間のRMSEに関して0.14であった。
../_images/creep_rupture_time_by_svr_prediction.svg

図 247 ツール「SVRによるクリープ破断時間予測」

入力ファイル:
ポート名:温度
試験条件の温度[K]
../_images/test_temp.png

図 248 出力ファイル「温度」

入力ファイル:
ポート名:応力
試験条件の応力[Mpa]
../_images/test_stress.png

図 249 入力ファイル「応力」

入力ファイル:
SVRによるクリープ破断時間予測モジュールを単独で実行する場合は、1つの元素の組成値を1ファイルで設定する。入力可能な元素を 表 21 に示す。
合金組成情報予測モジュールと接続する場合は組成データファイルに組成値を設定するため、組成値単体の入力は不要となる。
表 21 入力可能な元素一覧

No

ポート名

単位

説明

1

C_質量百分率

mass%

2

Si_質量百分率

mass%

3

P_質量百分率

mass%

4

S_質量百分率

mass%

5

N_質量百分率

mass%

6

B_質量百分率

mass%

7

Mn_質量百分率

mass%

8

Ni_質量百分率

mass%

9

Cr_質量百分率

mass%

10

Mo_質量百分率

mass%

11

Cu_質量百分率

mass%

12

Al_質量百分率

mass%

13

Ti_質量百分率

mass%

14

Nb_Ta_質量百分率

mass%

15

V_質量百分率

mass%

16

W_質量百分率

mass%

17

Co_質量百分率

mass%

18

Fe_質量百分率

mass%

100-(他の組成変数の合計値)を入力する

19

Nb_質量百分率

mass%

20

Sn_質量百分率

mass%

出力ファイル:
ポート名:クリープ破断時間
クリープ破断時間[h]
../_images/creep_rupture_time.png

図 250 出力ファイル「クリープ破断時間」

25.4. 入力ファイル

このワークフローにおける入力は 合金組成情報 の入力ファイルと、 SVRによるクリープ破断時間予測 の温度、応力となる。 入力ファイル名は半角スペースを入れなければ任意のファイル名でよい。

  • サンプル入出力ファイル ダウンロードはこちら (html版のみダウンロード可能)

    • 予測モジュール提供元から受領した入力ファイルにて検証済