28. 2000系アルミ合金機械特性予測ワークフロー

28.1. 概要

本ワークフローは人工知能（AI）の活用によりアルミニウム合金の設計条件と機械特性の相関を高精度で予測するワークフローである。

28.2. ワークフロー説明

ワークフローは 図 275 になる。

../_images/W30000000770.svg

図 275 2000系アルミ合金機械特性予測ワークフロー説明

28.2.1. 入出力ファイル

2000系アルミ合金機械特性予測ワークフローに指定する入力ファイルと出力ファイルを以下に記す。

  • 入力ファイル

    ポート名

    必須区分

    学習データ

    必須

    事後分布

    必須

    要求特性

    必須

    設計条件

    必須

    • ポート名: 学習データ

      レプリカ交換モンテカルロ法でニューラルネットワークのパラメータを決定するのに使用した学習データ。 今回の順問題プログラムで入力した設計条件の予測値を計算する際に、学習データの平均値と標準偏差を使用(.csv)。

    • ポート名: 事後分布

      レプリカ交換モンテカルロ法で得られたニューラルネットワークのパラメータの30000件の事後分布。 今回の順問題プログラムで入力した設計条件の予測値を計算する際に使用(.csv)

    • ポート名: 要求特性

      以下の変数が読み込みデータに含まれていることが必要になる(.csv) 引張強度(MPa)、耐力(MPa)、伸び(%)の各下限値。

      リスト 38 要求特性(.csv)
      引張強度(MPa),耐力(MPa),伸び(%)
400,0,0

      要求特性：引張強度≧400MPa and 耐力≧0MPa and 伸び≧0%

    • ポート名: 設計条件

      以下の変数が読み込みデータに含まれていることが必要になる(.csv)

      Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Ni、Zn、Ti、V、Pb、Sn、Bi、Zr、Li、その他元素、調質、溶体化温度、時効温度、時効時間、特性_温度、特性_時間

      • Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Ni、Zn、Ti、V、Pb、Sn、Bi、Zr、Li、その他元素、溶体化温度、時効温度、時効時間、特性_温度、特性_時間 → 数値を入力、添加元素[wt%]、温度[℃]、時間[hr]

      • 調質 →調質記号入力（O, T3, T4, T6, T7, T8のいずれか）

      リスト 39 設計条件(.csv)
      Si,Fe,Cu,Mn,Mg,Cr,Ni,Zn,Ti,V,Pb,Sn,Bi,Zr,Li,その他元素合計,調質,溶体化温度,時効温度,時効時間,特性_温度,特性_時間
0.4,0.4,3.95,0.75,1.1,0.05,0.1,0.4,0.1,0,1.15,0.1,0.1,0,0,0.15,T8,535,175,18,200,100
0.4,0.4,3.95,0.75,1.1,0.05,0.1,0.4,0.1,0,1.15,0.1,0.1,0,0,0.15,T8,535,175,18,200,100
0.4,0.4,3.95,0.75,1.1,0.05,0.1,0.4,0.1,0,1.15,0.1,0.1,0,0,0.15,T8,535,175,18,200,100
0.4,0.4,3.95,0.75,1.1,0.05,0.1,0.4,0.1,0,1.15,0.1,0.1,0,0,0.15,T8,535,175,18,200,100
0.4,0.4,3.95,0.75,1.1,0.05,0.1,0.4,0.1,0,1.15,0.1,0.1,0,0,0.15,T8,535,175,18,200,100
...

  • 出力ファイル

    ポート名

    予測結果

    引張強度ヒストグラム

    耐力ヒストグラム

    伸びヒストグラム

    • ポート名: 予測結果

      • 設計条件ファイルの条件に「予測 引張強度(MPa)」、「引張強度 確率」、「予測 耐力(Mpa)」、「耐力 確率」、「予測 伸び(%)」、「伸び 確率」、「全確率」の結果が追加されたファイル(.csv)

      • 予測 引張強度(MPa)、予測 耐力(MPa)、予測 伸び(%)：特性予測値

      • 引張強度 確率、耐力 確率、伸び 確率：各特性が要求特性を満たす確率（ニューラルネットワーク30000サンプル計算した中で要求特性を満たしたサンプルの個数）

      • 全確率： 3つの要求特性を全て満たす確率

      リスト 40 予測結果(.csv)
      Si,Fe,Cu,Mn,Mg,Cr,Ni,Zn,Ti,V,Pb,Sn,Bi,Zr,Li,その他元素合計,調質,溶体化温度,時効温度,時効時間,特性_温度,特性_時間,調質カテゴリ,焼鈍,溶体化,人工時効,自然時効,安定化,冷間加工,予測 引張強度(MPa),引張強度 確率,予測 耐力(MPa),耐力 確率,予測 伸び(%),伸び 確率,全確率
0.4,0.4,3.95,0.75,1.1,0.05,0.1,0.4,0.1,0.0,1.15,0.1,0.1,0.0,0.0,0.15,T8,535,175,18,200,100,T8,0,1,1,0,0,1,386.0807504571913,0.7170333333333333,269.1800063970829,1.0,16.091857869968955,1.0,0.7170333333333333
0.4,0.4,3.95,0.75,1.1,0.05,0.1,0.4,0.1,0.0,1.15,0.1,0.1,0.0,0.0,0.15,T8,535,175,18,200,100,T8,0,1,1,0,0,1,386.0807504571913,0.7170333333333333,269.1800063970829,1.0,16.091857869968955,1.0,0.7170333333333333
0.4,0.4,3.95,0.75,1.1,0.05,0.1,0.4,0.1,0.0,1.15,0.1,0.1,0.0,0.0,0.15,T8,535,175,18,200,100,T8,0,1,1,0,0,1,386.0807504571913,0.7170333333333333,269.1800063970829,1.0,16.091857869968955,1.0,0.7170333333333333
0.4,0.4,3.95,0.75,1.1,0.05,0.1,0.4,0.1,0.0,1.15,0.1,0.1,0.0,0.0,0.15,T8,535,175,18,200,100,T8,0,1,1,0,0,1,386.0807504571913,0.7170333333333333,269.1800063970829,1.0,16.091857869968955,1.0,0.7170333333333333
0.4,0.4,3.95,0.75,1.1,0.05,0.1,0.4,0.1,0.0,1.15,0.1,0.1,0.0,0.0,0.15,T8,535,175,18,200,100,T8,0,1,1,0,0,1,386.0807504571913,0.7170333333333333,269.1800063970829,1.0,16.091857869968955,1.0,0.7170333333333333

      予測値・要求特性を満たす確率が表の末尾に追加される

    • ポート名: 引張強度ヒストグラム

      引張強度ヒストグラム画像ファイル(.png)。

    ../_images/wf_output001.png

    図 277 引張強度ヒストグラム画像

    • ポート名: 耐力ヒストグラム

      耐力ヒストグラム画像ファイル(.png)。

    ../_images/wf_output002.png

    図 278 耐力ヒストグラム画像

    • ポート名: 伸びヒストグラム

      伸びヒストグラム画像ファイル(.png)。

    ../_images/wf_output003.png

    図 279 伸びヒストグラム画像

28.3. ワークフロー実行

1. ワークフロー一覧画面 ( 図 280 ) で、ワークフロー名 [2000系アルミ合金機械特性予測] リンクをクリックして、ワークフローメタ情報画面に遷移する。
../_images/wf_run0012.png

図 280 ワークフロー一覧画面

2. ワークフローメタ情報画面 ( 図 281 ) で、画面の右上にある [ワークフローを実行] ボタンをクリックして、ワークフロー実行画面に遷移する。
../_images/wf_run0022.png

図 281 ワークフローメタ情報画面

3. ワークフロー実行画面 ( 図 282 ) で、実行パラメータ(入力ファイル)を設定後、[実行] ボタンをクリックすることでワークフローが実行される。
../_images/wf_run0032.png

図 282 ワークフロー実行画面

28.3.1. 実行結果

1. ラン一覧から実行結果をダウンロードしたいステータスが「完了」のランIDをクリックし、ラン詳細画面に遷移する( 図 283 )。
../_images/wf_result0012.png

図 283 ラン詳細画面

2. ラン詳細画面の [ダウンロード] ボタンをクリックすると計算結果ファイルダウンロード画面に遷移する( 図 284 )。全ての実行結果をダウンロードするのラジオボタンにチェックを付け、[ダウンロード] ボタンをクリックするとダウンロードが開始される。
../_images/wf_result0021.png

図 284 計算結果ファイルダウンロード画面

3. ダウンロードした実行結果ファイル("out.zip")は圧縮されている。
これを解凍すると「(ワークフローID+)ツール名」のフォルダが存在する( リスト 41 )。
リスト 41 実行結果ダウンロードファイル(out.zip)
 out
 └─W000030000000770
    ├─input
    │      学習データ_01
    │      事後分布_01
    │      設計条件_01
    │      要求特性_01
    │
    └─W000030000000770_2000系アルミ合金機械特性予測_01
            stdout
            引張強度ヒストグラム.png
            伸びヒストグラム.png
            耐力ヒストグラム.png
            予測結果.csv