6. 硬質相組織形成シミュレーションワークフロー¶
6.1. 概要¶
SIP1期D61版、硬質相組織形成シミュレーションは、組織予測システムをワークフロー化したものである。 本ワークフローは以下のプログラムから構成される。
CCT図からの冷却曲線と相変態開始線との交点情報の取得(既知とする)
初期場作成(大野先生監修)
Grain Growth(同上)
VTK切り出しプログラム(小山先生監修)
α相析出プログラム(山中先生のセルオートマトン)
硬質組織形成シミュレーション(小山先生監修)
6.1.1. 処理の流れ¶
以下のような処理を行う。
初期場の作成
作成した初期場に対するγ多結晶組織形成の計算
固液界面領域の切り出しと調整
α相析出・各相変態・組織形成の計算
図 192 処理の概略図¶
現時点では4つの計算毎にワークフローを分けて実行している。将来的にはCCT図と温度曲線から交点を求めてこれらの処理を自動的に選択して実行する予定となっている。
硬質相組織形成シミュレーション_γ多結晶とα相析出のフェライトからのパーライト組織形成計算
硬質相組織形成シミュレーション_γ多結晶とα相析出のフェライトからのパーライトとベイナイト組織形成計算
硬質相組織形成シミュレーション_γ多結晶とα相析出のフェライトからのベイナイト組織形成計算
硬質相組織形成シミュレーション_γ多結晶からのベイナイト組織形成計算
6.2. ワークフロー説明¶
6.2.1. 硬質相組織形成シミュレーション_γ多結晶とα相析出のフェライトからのパーライト組織形成計算¶
初期場を作成し、そこへγ多結晶の計算を行う。その後、固液界面の切り取りを行い、α相析出プログラムを実行する。結果を調整し、パーライト組織変態の計算を行う。
図 193 硬質相組織形成シミュレーション_γ多結晶とα相析出のフェライトからのパーライト組織形成計算ワークフロー¶
6.2.2. 硬質相組織形成シミュレーション_γ多結晶とα相析出のフェライトからのパーライトとベイナイト組織形成計算¶
初期場を作成し、そこへγ多結晶の計算を行う。その後、固液界面の切り取りを行い、α相析出プログラムを実行する。結果を調整し、パーライト組織変態、ベイナイト組織変態の計算を行う。
図 194 硬質相組織形成シミュレーション_γ多結晶とα相析出のフェライトからのパーライトとベイナイト組織形成計算ワークフロー¶
6.3. 各モジュールの説明¶
ワークフローの各モジュールの説明とモジュールが出力するファイルのフォーマットについて説明する。
6.3.1. 初期濃度場作成モジュール¶
初期濃度場作成パラメータ から初期濃度場を作成する。 出力ファイルはγ相粒成長計算に使用する初期濃度場のファイルである。
図 197 ツール「初期濃度場作成」¶
6.3.2. γ相粒成長計算モジュール¶
γ多結晶計算用パラメータ と初期濃度場からγ多結晶組織形成計算を行う。出力ファイルはVTK形式のファイルとなる。計算結果としてVTKファイル、計算過程のアニメーションGIFファイルを出力する。これらはデザイナーからも表示、確認できる。
図 198 ツール「γ相粒成長計算」¶
6.3.3. 画像切り出しモジュール¶
γ相粒成長計算から出力されるVTK形式の結果ファイルを 画像切り取りパラメータ に設定された情報で任意の場所(固液界面)と形(0.8x0.8mmの固定領域)で切り出すモジュールである。出力ファイルはVTK形式のファイルとなる。
図 199 ツール「画像切り出し」¶
6.3.4. 結晶粒番号振りなおしモジュール¶
正方形の切り取り領域のVTKファイルを読み込み、結晶粒番号を振りなおし、別の VTKファイルにして保存する。γ相粒成長計算モジュールの計算では、結晶粒番号がバラバラになるので、 結晶粒番号を、101番から順に、101,102,103,104,…のように割り振る。
図 200 ツール「結晶粒番号振りなおし」¶
6.3.6. α相析出演算モジュール¶
γ多結晶からフェライト相析出の状態を作り出すために、フェライト相の析出計算を結晶粒番号振りなおしモジュールで出力されるVTKファイルに対して実行する。
図 202 ツール「α相析出演算」¶
6.3.7. α相結晶粒番号振りなおしモジュール¶
α相析出後の出力ファイル(VTKフォーマット)に対して、α相の結晶粒番号を振りなおし、別の VTKファイルにして保存する。 全てのα相の粒番号 を 1に固定する。α相析出の計算において、α相結晶粒番号が、152番以降になるので、N_alpha=152を読み込んで、これ以上の番号をすべて、1にする。
図 203 ツール「α相結晶粒番号振りなおし」¶
6.3.8. パーライト結晶粒番号振りなおしモジュール¶
パーライトの結晶粒番号を振りなおし、別の VTKファイルにして保存する。 全てのパーライトの粒番号を10に固定する。パーライト組織形成の計算において、パーライトの領域番号が、201番以降になるので、N_pearite=201を読み込んで、これ以上の番号をすべて、10にする。
図 204 ツール「パーライト結晶粒番号振りなおし」¶
6.3.9. γ多結晶とα相析出のフェライトからのパーライト組織形成計算モジュール(SIP_FtoP)¶
(γ多結晶+α相析出)→パーライト組織形成の計算のためのモジュールである。Rosenthal式パラメータとプロセス条件設定パラメータが必要になる。変態シミュレーションの時系列アニメーションGIFが出力される。
なお、出力のパーライト結晶粒番号振りなおし用データは、パーライト結晶粒番号振りなおしモジュールで使用するものであり、フェーズフィールド計算結果と同一のVTKファイルとなる。
図 205 ツール「γ多結晶とα相析出のフェライトからのパーライト組織形成計算」¶
6.3.10. γ多結晶とα相析出のパーライトからのベイナイト組織形成計算モジュール(SIP_PtoB)¶
(γ多結晶+α相析出+パーライト組織)→ベイナイト組織形成のためのモジュールである。Rosenthal式パラメータとプロセス条件設定パラメータが必要になる。変態シミュレーションの時系列アニメーションGIFが出力される。
図 206 ツール「γ多結晶とα相析出のパーライトからのベイナイト組織形成計算」¶
6.3.11. γ多結晶とα相析出のフェライトからのベイナイト組織形成計算モジュール(SIP_FtoB)¶
(γ多結晶+α相析出)→ベイナイト組織形成の計算のためのモジュールである。Rosenthal式パラメータとプロセス条件設定パラメータが必要になる。変態シミュレーションの時系列アニメーションGIFが出力される。
図 207 ツール「γ多結晶とα相析出のフェライトからのベイナイト組織形成計算」¶
6.3.12. γ多結晶からのベイナイト組織形成計算モジュール(SIP_GtoB)¶
γ多結晶→ベイナイト組織形成の計算のためのモジュールである。Rosenthal式パラメータとプロセス条件設定パラメータが必要になる。変態シミュレーションの時系列アニメーションGIFが出力される。
6.4. 入力データのフォーマット¶
入力データは 初期濃度場作成パラメータ 〜 α相析出パラメータ である。
また、各ワークフローの入出力サンプルを以下に示す。(html版のみダウンロード可能)
6.4.1. 初期濃度場作成パラメータ¶
計算に使用する初期濃度場のパラメータを以下の形式で作成する。このファイルは初期濃度場作成モジュールで使用する。
! the numbers of meshes in x-,y-,z-directions
256 128 1
! threadx, thready, threadz
32 16 1
! system size [-]
1.6e-3
! boundary conditions for x, y, z (0:Neumann, 1:Mirror, 2:Periodic)
0 0 0
! maximum number of time step
7000000
! time constant ( 4.5 for 2D, 6.8 for 3D )
4.5
! temperature gradient and cooling rate
0.0 0.0
! reference temperature
1.0
! grain boundary energy [-]
1.0
! prefactor and activation energy for phase-field mobility
1.0 0.0
! the maximum number of grains for APT algorithm (2D:5, 3D:6)
5
! interface thickness, WW/dx
6.0
! initial driving force
1e6
! the maximum number of grain id number
100000
! initial grain radius
0e0
! final radius[-], dimension, time step
1e-3 2 10
! time steps for snapshot and skip number
60 2 2 1
6.4.2. γ多結晶計算用パラメータ¶
γ多結晶組織形成計算用のパラメータを以下の形式で作成する。このファイルはγ相粒成長計算モジュールで使用する。
input file
- - - the numbers of meshes in x-,y-,z-directions(x, y, z方向のメッシュ数)
4096 2560 1
- - - threadx, thready, threadz(PU並列計算の際のx, y, z方向のスレッド数)
16 16 1
- - - system size [m](x方向のシステムサイズ[m])
10e-3
- - - boundary conditions for x, y, z (0:Neumann, 1:Mirror, 2:Periodic)(x, y, z方向の境界条件の設定、0はゼロノイマン、1はミラー、2は周期的境界条件。メッシュ数が1の方向にはゼロノイマンを設定する必要あり。)
0 0 0
- - - maximum number of time step(時間ステップ数 (実現象の時間=このステップ数×Δt))
2204278
- - - time constant ( 4.5 for 2D, 6.8 for 3D )(本コードでは、時間ステップをΔt = Δx2/(αM*)と与える。このαをここで指定。M*は下記参照)
4.5
- - - grain boundary energy [J/m2](粒界エネルギー σgb [J/m2])
0.79
- - - prefactor and activation energy for grain boundary mobility(2016年3月に提出した「粒成長モデルの説明.pdf」中の式(11)におけるm0とQの値。上記のM*はM*=mgb(T=TL)。ここでTLは以下で指定する液相線温度。また、温度がTL以上の領域では、mgb=M*とする。)
6.2e-3 176e+3
- - - type of temperature calculation(温度場の計算式を選択。1は一方向凝固の計算式、2は固定熱源、3は移動熱源の計算式を選択。)
3
- - - parameters for temperature calculation(温度場の計算のためのパラメータ。左からaT bT, cT, dT, eT, fT, gT)
298.15 6.0e3 40.0 4.0e-4 9e-6 -1.0e-3 -5.0e-3 0
- - - melting&solidification calculation(溶融・凝固のパラメータ。0:溶融・凝固の計算無し、1:溶融・凝固の計算在り。1の場合、計算格子の原点から液相が出現)
1
- - - parameters for melting&solidification calculation(溶融・凝固のパラメータ。左から、?d, TL, TS。ここで、?dはデンドライト・エンベロップの形状を決めるパラメータ、TLは液相線温度、TSは固相線温度)
1.0 1791 1765
- - - parameters for melting&solidification calculation(溶融・凝固のパラメータ。左から、am, bm, cm, as, bs, cs, ΔTmax。本コードでは、溶融速度をVm=am+bmΔT+cmΔT^2と近似。ここで、ΔTはΔT = T - TL。同様に、凝固速度はVs = as+bsΔT+csΔT2と近似。これらの定数は、例えばKGTモデルから算出可能。なお、これらの速度は結晶の<100>の速度であり、結晶粒によって<100>方位はランダムに与えられる。また、計算を安定にするため、ΔTがΔTmax以上の時には、|ΔT| = ΔTmaxとする。)
0.0 -0.001 0.0 0.0 0.001 0.0 20
- - - pinning calculation(ピン止め効果のパラメータ。0:ピン止め効果なし、1:ピン止め効果あり)
1
- - - parameters for pinning calculation(ピン止め効果のパラメータ。左から、β, m, n。本コードでは、ピン止め力を平均場近似で考慮しており、ΔP = σgb βfvm/rpnと与える。ここで、fvはピン止め粒子の体積割合、rpはピン止め粒子の平均粒子半径。なお、fvとrpは温度依存(したがって、場所にも依存)のため、ピン止め力も温度依存(場所にも依存)。)
3.3 1.0 1.0
- - - parameters for particle volume fraction(ピン止め効果のパラメータ。左から、fv0, fv1, fv2, fv3, Tfv。体積割合は、fv = fv0 + fv1 T+ fv2 T2 +f v3 T3と計算される。また、Tfv以上の温度ではfvは0。)
4e-5 0.0 0.0 0.0 1765
- - - parameters for particle radius(ピン止め効果のパラメータ。左から、rp0, mp, kp0 Qp。ピン止め粒子の平均粒子半径は、drp/dt = kp/rpmpを積分して求めている。rp0は粒子半径の初期値であり、kpはkp=kp0/T*exp(?Qp/(RT))と計算される。)
1e-8 0.0 0e-28 0.0
- - - the maximum number of grains for APT algorithm (2D:5, 3D:6)(Active Parameter Trackingで考慮する秩序変数の数。2016年3月に提出した「粒成長モデルの説明.pdf」のAPTアルゴリズムの説明におけるnp。2Dでは5以上、3Dでは6以上を推奨。)
5
- - - interface thickness, WW/dx(界面幅Wを決定する定数。W=aWΔxとしたときのaWの値。)
6.0
- - - name of file for initial microstructure(組織の初期ファイル名(任意))
initial_microstructure_data.ini
- - - the skip numbers of time and grids for snapshots( スナップショットを出力する時間間隔。スナップショットにおいてx、y、z方向にスキップするメッシュ数。)
35000 1 1 1
6.4.3. 画像切り取りパラメータ¶
γ相粒成長計算後の出力ファイルから任意の領域を切り取るプログラム用のパラメータを以下の形式で作成する(ファイルの後半はパラメータの概略説明である)。このファイルは画像切り出しモジュールで使用する。
10.0
6.25
2048
1280
6.0
5.0
--上記データの内容------------------------------------------------------
//計算領域の実サイズ(mm)
Lx=10.0;//mm
Ly=6.25;//mm
//計算領域の分割数
ndx=2048;
ndy=1280;
//切り出し領域の中心座標(切り出し領域のサイズは、0.8mm×0.8mmに固定)
x00=6.0;//mm
y00=5.0;//mm
--------------------------------------------------------
6.4.4. Rosenthal式パラメータ¶
Rosenthalの式のパラメータを以下の形式で作成する。このファイルは組織形成計算モジュールで使用される。
298.15
1791.0
1103.0
6.0e3
4.0e-4
40.0
9.0e-6
0.0
0.0
-1.0e-3
0.0
--上記データの内容------------------------------------------------------
T_0=298.15; //初期温度[K]
T_m=1791.0; //融点[K]
T_Ac3=1103.0; //Ac3温度[K]
Q_input=6.0e3; //入熱量[J/s]
v_weld=4.0e-4; //熱源の移動速度[m/s]
lam_T=40.0; //熱伝導率[W/(mK)]
a_T=9.0e-6; //熱拡散係数[m^2/s]
in_x=0.0; //熱源のx位置[m]
in_y=0.0; //熱源のy位置[m]
in_z=-1.0e-3; //熱源のzスタート位置[m],熱源の移動方向はz
z=0.0; //二次元断面位置[m]
--------------------------------------------------------
6.4.5. プロセス条件設定パラメータ¶
プロセス条件設定と、合金情報設定を以下の形式で作成する。このファイルは組織形成計算モジュールで使用される。
328
0.05
12.73307e-03
2.0e-03
110.2
165.2
810.0
649.0
0.333333
1.0
800.0e-06
200.0
1.51e-02
0.152e-02
0.7
3.0e-09
3.0
2.2e-04
123000.
--上記データの内容------------------------------------------------------
//---- プロセス情報の設定 ---------------------------------
iPixel=328;
delt=0.05;//時間きざみ(s)
Rosenthal_x=11.32977*1.0e-03; //計算領域の中心のx座標(m)
Rosenthal_y=2.0*1.0e-03; //計算領域の中心のy座標(m)
time_start=Rosenthal_t=110.2; //開始時間(s)
time_end=165.2; //終了時間(s)
temp_start=810.0; //開始温度(K)
temp_end=649.0; //終了温度(K)
E1_fact=0.333333; //全化学的駆動力の内、相変態に活用できる割合
L_fact=1.0; //緩和係数にかける補正項[無次元]
L=800.0e-06;//計算領域(m)
N_nucleus=200.0; //初期核の数
//---- 合金情報の設定 ---------------------------------
//平均組成 Fe-0.152C-1.51Mn(mass%)
mc2a=1.51e-02;//Mnの合金組成
mc3a=0.152e-02;//Cの合金組成
gamma0=0.7; //界面エネルギー(J/m^2)
lam=3.0e-09;//成長先進界面の幅[m]
delta=3.0; //界面幅設定(差分ブロックの整数倍)
//D0=2.3e-05; //オーステナイト中における炭素拡散の頻度因子[m^2/s]
//Q=148000.; //オーステナイト中における炭素拡散の活性化エネルギー[J/mol]
D0=6.0e-10; //パーライト先進界面での炭素拡散の頻度因子[m^2/s]
Q=41800.; //パーライト先進界面での炭素拡散の活性化エネルギー[J/mol] 液相
//--------------------------------------------------------
6.4.6. α相析出パラメータ¶
α相析出計算のパラメータファイルを以下の形式で作成する。このファイルはα相析出演算モジュールで使用される。
51 ! number of austenite grains (nalph)
200 ! maximum number of ferrite grains (nbeta)
2000 ! interval between outputs [steps] (divisor)
1.0e-3 ! time increment for one time-step [s] (delt)
978. ! initial temperature [K] (temp_start)
882. ! final temperature [K] (temp_end)
3. ! cooling rate [K/s] (coolingrate)
328 ! number of finite difference grids along x-axis (g_nx)
328 ! number of finite difference grids along y-axis (g_ny)
1e-6 ! spacing of finite difference grids [m] (g_dx=g_dy)
0.0151 ! mass fraction of manganese (w0(1))
0.0007 ! mass fraction of carbon (w0(2))
2.3e-4 ! Pre-exponential factor of carbon diffusivity in austenite phase [m2/s]
148e+3 ! Activation energy of carbon diffusivity in austenite phase [J/K/mol]
1.6e-5 ! Pre-exponential factor of manganese diffusivity in austenite phase [m2/s]
262e+3 ! Activation energy of manganese diffusivity in austenite phase [J/K/mol]
2.0e-6 ! Pre-exponential factor of carbon diffusivity in ferrite phase [m2/s]
83.9e+3 ! Activation energy of carbon diffusivity in ferrite phase [J/K/mol]
1.5e-4 ! Pre-exponential factor of manganese diffusivity in ferrite phase [m2/s]
234e+3 ! Activation energy of manganese diffusivity in ferrite phase [J/K/mol]
1.0 ! Interfacial energy of austenite grain boundary [J/m2]
0.1 ! Interfacial energy of austenite/ferrite interface [J/m2]
6.5. Rosenthal式に基づく温度場導出アプリについて¶
※ワークフローの入力パラメータの設定を支援するために、Rosenthal式に基づき温度場を導出するサンプルアプリを提供することが可能です。 このアプリの使用を希望する場合は 構造材料DX-MOP事務局 までお問合せください。
6.5.1. 温度場導出アプリの概要¶
本アプリは、Rosenthal式の設定条件とA鋼のCCT図を用いて、 切り出し領域の設定例 の切り出し領域図中の点線の四角の位置の中心における各相変態・組織形成(フェライト[アロトリオモルフ]析出、フェライト[サイドブレート]析出、パーライト変態、ベイナイト変態、およびマルテンサイト変態)の開始時間・開始温度および終了時間・終了温度を導出する。
図 208 切り出し領域の設定例¶
6.5.2. 温度場導出アプリの入力データ¶
入力データは、Rosenthal式の設定条件とA鋼のCCT図である。
Rosenthal式の設定条件(Temp_condition_initial_setting.dat)
Rosenthal式パラメータ を参照。
A鋼のCCT図(Steel_A_CCT_4_1000.dat)
A鋼に対応するCCT図のデータファイルを使用する。
1.000000e+000
1.000000e+000
1.000000e+000
1.000000e+000
1.000000e+000
1.000000e+000
1.000000e+000
1.000000e+000
1.000000e+000
1.000000e+000
1.000000e+000
1.000000e+000
...
0.000000e+000
0.000000e+000
0.000000e+000
0.000000e+000
0.000000e+000
0.000000e+000
0.000000e+000
0.000000e+000
0.000000e+000
0.000000e+000
0.000000e+000
0.000000e+000
6.5.4. ワークフローの入力パラメータの設定方法¶
例として、以下の実行結果が得られたとする。この情報から、ワークフローに必要なパラメータを設定する。
溶融池縁が最大温度(融点)になる時間と、そのx座標[溶融池縁から0.4mm]、[y座標は表層から2mm]
t1(s)=9.599131, x1(mm)=12.733073
溶融池縁から0.4mmの位置がAc3温度になる時間
t_Ac3(s) = 63.603223
---[番号と組織の関係凡例]------------------------------------
255(赤:γ単相)
225(緑:フェライト(アロトリオモルフ)
200(青:フェライト(サイドブレート)
175(黄:パーライト)
150(紫:ベイナイト)
125(空色:マルテンサイト)
0(黒:その他)
-------------------------------------------------------------
CCT図において組織の種類が遷移する温度と時間
No=255 => No=225 ,T(K)=859.956803 ,t(s)=98.628994
-------------------------------------------------------------
CCT図において組織の種類が遷移する温度と時間
No=225 => No=200 ,T(K)=850.935475 ,t(s)=100.462644
-------------------------------------------------------------
CCT図において組織の種類が遷移する温度と時間
No=200 => No=150 ,T(K)=811.677788 ,t(s)=109.145191
-------------------------------------------------------------
CCT図において組織の種類が遷移する温度と時間
No=150 => No=125 ,T(K)=651.103736 ,t(s)=163.683388
-------------------------------------------------------------
CCT図において組織の種類が遷移する温度と時間
No=125 => No=0 ,T(K)=375.466797 ,t(s)=769.138596
-------------------------------------------------------------
この結果から、γ多結晶→フェライト(α相析出[アロトリオモルフ])→フェライト(α相析出[サイドブレート])→ベイナイト変態(→ マルテンサイト変態)の計算が必要なことが分かる。
具体的なパラメータの設定方法は以下の通りである(記載のないものはデフォルトのまま使用する)。
x1の値から、 γ多結晶計算用パラメータ の「parameters for temperature calculation」の7番目の値を調整する。具体的には初期場の幅は10mmと固定しているため、溶融池の縁(x1)の値がこの10mmのほぼ中央に来るように、計算開始時の座標位置(横方向)をマイナス側へ移動させる。この例では、-5mmのところに設定しているとよい。
t_Ac3の時間から、 γ多結晶計算用パラメータ の「maximum number of time step」を調整する。内部で与えられた係数(2.9034443E-05)があるので、t_Ac3の時間をこれで割るとおおよそ必要なステップ数が得られる。
α相析出パラメータ の「initial temperature」に [No=255 => No=225] の温度を設定する。
同、「final temperature」に [No=225 => No=200] の温度を設定する。
プロセス条件設定パラメータ に「開始時間」と「開始温度」として [No=225 => No=200] の値を設定する。
同、「終了時間」と「終了温度」として [No=200 => No=150] の値を設定する。
画像切り取りパラメータ の「x00」の値については、x1 の値を考慮して設定する。
6.6. ワークフローの実行¶
6.7. 計算結果の確認¶
6.7.1. ダウンロード¶
計算が終了すると、計算結果をダウンロードすることが可能になる。 「ラン一覧」画面から計算が終了したワークフローのランIDを押下する。
図 213 計算結果の選択¶
「ラン詳細」画面が表示されたら、「ダウンロード」を押下すると、ダウンロードが開始される。
図 214 計算結果のダウンロード¶
ダウンロードしたファイルを解凍すると、ワークフローIDが名前のフォルダが作成される。
6.7.2. 画像の確認¶
計算実行後、各モジュールで作成されたVTKファイルを確認することが可能である。
「ラン詳細」画面の「実行状況」を押下し、「ワークフローデザイナー」画面を開く。( 図 215 )
図 215 実行状況の選択¶
参照したい予測モデルを押下し、メニューから電卓アイコンを押下する。( 図 216 )
図 216 計算結果の表示¶
表示されたダイアログの出力ポートにある、ドロップダウンリストから該当のポートを選択する。( 図 217 )
図 217 計算結果の画像の表示¶
計算が正しく行われていれば、このようなVTK画像が表示される。( 図 218 ) ダイアログはウィンドウを大きくする要領で表示面積を広げることが可能である。 ※ダイアログ内での画像の縮小拡大はできません。
図 218 VTK画像の表示ダイアログ¶
このほかに、拡張子がGIFのものが作成されるモジュールがある。γ相粒成長計算と「γ多結晶」で始まるモジュールである。これらは計算過程(大抵は経過時間)で出力されるVTKファイルをGIFアニメーションにしたものである。






